法律

就業規則は労働基準監督署に届出ないと無効ですか?

神戸就業規則サポートセンターが、あなたの会社の人事労務に役立つ情報をお伝えします。

[topic color="blue" title="中小企業経営者様からのご相談"]

我が社は設立50年になる文房具卸業です。
私は、先代から、事業を引き継いだ2代目です。

15年前に作成した就業規則がありますが、作成時のことを覚えている社員はいません。
就業規則は誰もが閲覧できる場所に保管されていますが、労働基準監督署に届出されている記録はありません。

この就業規則は有効なのでしょうか?

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[topic color="red" title="神戸就業規則サポートセンターの回答"]

就業規則は労働基準監督署に届出したかどうかではなく、
社員に「周知」したときから効力が発生します。

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「常時10人以上の労働者」を使用する会社は、

就業規則を作成し、労働基準監督署に届出することが義務付けられています。

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「常時10人以上の労働者」とは

・一時的に労働者の数が10人未満になることがあっても、ふつう(通常)は10人以上の労働者を使用している場合を指します。
逆に、通常は10人未満であり、忙しい時期に一時的に10人以上となる場合は含みません。

・正社員のみならず、パートタイマーや契約社員など非正規の社員も含みます。
雇用形態にかかわらず、常時雇用しているのであれば人数に入れてカウントします。
ただし、派遣社員は、派遣会社(派遣元)が雇用している労働者ですから、派遣先では「常時10人以上の労働者」に含みません。

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届出時には、従業員の代表者に就業規則を見てもらい、

「意見を聴く」ことが義務付けられています。

その意見の内容を「意見書」として就業規則に添付して届出なければなりません。

一般従業員の中から、投票や挙手などによって過半数の支持を得た社員が「従業員の過半数代表者」となります。

注意する点は、

・会社が指名してはいけないこと、

・管理監督者である部長などを選出することはできない,

ということです。

 

では、従業員代表者が就業規則の内容に反対や不満であった場合、就業規則は無効なのでしょうか。

いいえ、無効ではありません。

あくまで「意見を聴く」ことであり、「意見を取り入れること」ではありません。

意見書の内容が反対の意見を示すものであっても、就業規則を変更する必要はないのです。

 

労働基準監督署への届出の際には、

・就業規則

・就業規則作成届

・従業員代表者の意見書

以上を揃え、事業所の所轄の労働基準監督署に提出します。

「就業規則作成届」「従業員代表者の意見書」はこちらからダウンロードできます

提出の際は、書類を2部づつ用意してください。

1部は労働基準監督署に提出します。

もう1部は、会社で社員への周知用に使います。

会社用には労働基準監督署の受理印を押してもらえますので、いつ、受理を受けたかということがわかります。

 

ご質問の就業規則の効力ですが、

労働基準監督署の届出をしていなかったとしても、

誰もが閲覧できる場所に保管されているのですから、

周知していると考えられます。

社員は、就業規則の存在を知っているわけですから効力はあると言えます。

逆に言えば、就業規則があったとしても、

従業員は誰も知らず、形式的な届出だけ労働基準監督署に行っていた場合、

その就業規則は無効といえます。

大切なのは、周知しているかどうかです。

周知とは、

従業員が誰でも見やすい場所に備え付けておくか、パソコンから内容を確認できるようにしておくことです。

全員に配布したり、読み聞かせするまでは義務付けられていません。

 

例えば、社員が不祥事を起こし、就業規則に従って「処分」をしようとします。

しかし、社員が

「就業規則にそんなルールが書かれているなんて知らなかった。就業規則なんて読んだことないよ」

と言ったとしても、従業員の言い分は通りません。

会社が、従業員ならいつでも自由に閲覧できる場所に掲示しているのであれば、会社は就業規則に則って処分をすることができます。

 

就業規則の効力は届出よりも周知していることが大事です。

従業員が就業規則の内容を知っていなかったとしても、

「会社はきちんと閲覧できるようにし、周知している」ことが大事ということです。

しかし、トラブルにならないためにも、就業規則の内容まで社員に理解してもらう努力はしておきましょう。

 

「就業規則作成届」「従業員代表者の意見書」の様式例

社会保険労務士が監修した

「就業規則作成届」「従業員代表者の意見書」の様式例

をワードファイルでご提供しています。

御社の実情に合わせ、修正して活用することができます。

就業規則規定例のダウンロードは以下のバナーをクリック。

就業規則専門、神戸就業規則サポートセンター代表 社会保険労務士の清水がお伝えしました。

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